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一縷の闇
注意!
| ここは、怖い話や不思議な話を載せております。 閲覧には十分にご注意ください。 なお、閲覧中・閲覧後の不可解な現象・体調不良など の不慮の事態が起こりましても、当サイト・管理人とは 一切関係がございません。 妊婦の方・心臓の弱い方は閲覧を控えてください。 強制ではありませんので自己責任でお読みください。 下記に上げる話は、すべて実話ではないですが すべてフィクションでもありません。 記述者の年齢・性別・職業はわざと変えている場合が ございます。 人間の業は底知れぬ深さと恐ろしさを秘めております。 |
交差点
2006.11初旬
雲ひとつない青空。お店が暇な私は何気なく店前の交差点を見ていました。
相変わらず往来が激しい交差点だなぁと思いながら見つめていた時
交差点の中央に大きな手が突然、地面から出てきました。あまりの光景に
声もでなかった。地面から伸びた手はハエ叩きの如く、手のひらを地面に
叩きつけました。同時に凄まじい衝撃音と共にクラクションが鳴り響きました。
大きな手は既に消えており、手の下があった所には、軽自動車が2台。
正面衝突でした。警察が到着するまでの間、鳴り続けたクラクションが
忘れられません。
とまらない
2006.11中旬
これは、私が高校生の頃見た夢の話。
私は、マンションの前に立っていました。夏の夜中3時位だと思います。
私はマンションの最上階を見て入口を見て、ゆっくりと入口に向かっていきます。
そこは私が小学校の頃よく遊んだ公園の前のマンションで「かいりょう住宅」と
呼んでいたことを記憶しています。
自分が入口に入って行くのを後ろからの視点でみていました。
それからすぐにエレベータに乗り込みうつむいている私をみました。目の焦点が
まったく合っていません。その時、私は気づきました。「これは、夢だ!」
前にも何度か見た事がある夢で、私が飛び降り自殺する夢です。
「マズイ!起きないと死んでしまう!」仰向けで寝ていた私は、目を開けようと
しました。「開かない!」目ヤニでまぶたがくっついているんだと思いました。
それならば、無理にでも目をこじ開けるしかないと思い腕に力をいれました。
「腕が上がらない!これが金縛りってやつか!」
その間にも、私が屋上に向かうシーンは続いています。
頭は完全に目覚めている。
だけど、脳裏に浮かんだ映像は消えない!外側からエレベータの中が
なぜか見えるようになっていて、エレベータの中の私は相変わらずうつむいて
おり、目の焦点があっていない。
「ヤバイ!どうすれば。そうだイメージ!何か考えてこの映像を吹き飛ばせば!」
「数学だ!数式を思い浮かべるんだ!」「...........ダメだ!」
数式を思い浮かべたがすぐに思考がかき消される。
エレベーターが止まり私がエレベーターから降りていく。目の前のドアを開く。
視点が替わりドアを開けて屋上に入ってくる自分が見える。「ヤバイ!!」
「どうする!?どうすれば!」「そうだ!エロだ!煩悩の方が強い!」
屋上の柵に向かってゆっくり歩いていく私がいる。
必死でエロい事を考える。「女!胸!オッパイ!」必死に想像した。
柵に手がかかる。「オッパイ!・オッパイ!!」必死に抵抗した。
が、柵を越えてしまった。「止まらなかった!」そう思った瞬間。
視点が私自身に代わった。今までは、自分で自分を眺めている視点だったが
今見ている視点は、自殺する私の目から見えている光景だった。
私は、上空を見上げた。風は強く、もの凄い音をたてている。
次いで、下を見る。風が渦を巻いている。
真正面を見据えた瞬間、体が前へ傾いた。落ちる。
目の前がぐるぐると回っている、耳に聞こえる轟音。
次の瞬間、「ズドォォン」地面に激突。
「ぐぅあ!」現実に寝ている私にも地面に叩きつけられた衝撃が伝わる。
地面に叩きつけられ顔は左横を向き、腕は両方とも頭の上あたりにあり、左足は
くの字に曲がっていた。
自分の姿を上から眺めている場面が映る。その映像を見た後で完全に目が覚めた。
「あばら痛ってぇ」思わずつぶやき「はぁぁ...現実でも痛てぇのかよ!」
腹立ち紛れに独り事をいいました。
気づくと、最後の映像(地面に叩きつけられた)と同じ格好をしていました。
起き上がり汗でびっしょりになった体をみて、夢を思い出し
「やっぱり間に合わなかったか。」
少し怖くなったのでそのまま寝ました。
次の日ふと思った事は、途中まで仰向けで眠っていた感覚はキッチリあったのに
最後になぜ、うつ伏せになっていたのかは未だに不思議です。
新路線
2006.11中旬
私の仕事先は駅から歩いて20分の所にありました。ところが最近になり新たな
路線が仕事先の近くにでき、新しく駅ができました。仕事先まで5分に短縮され
喜んでいました。新線ということもありまだ乗降客も少なく行きと帰りで
座る事ができるので快適でした。そんなある日、朝早くの仕事があり始発で行く
事になりました。いつもの駅で降りて、改札を抜け歩き始めました。
「あ〜眠たい。」つぶやきながら面倒くさいな〜と思いながら歩いていました。
ふと前を見ると作業着のおじさんが私の前を歩いていました。
腰に安全帯やドライバーなどをつけていました。
「朝っぱらから大変だなぁ〜。まだ残工事あるのか〜」と
思いながら歩いてました。すると突き当たりで左に曲がるはずが
そのおじさんはそのまま直進し壁の中に消えていきました。
思わず足を止め、おじさんが消えていった壁を見つめました。
「まあ、そういう事もあるよな。工事現場だったし」と思い直し
仕事先へ急ぎました。
不可侵領域
2006.11中旬
私の田舎には、地元でもよくでるという噂の山があります。昔から神隠しに
合うなどと大人に脅かされて、近づくなと言われていた場所です。
そこは、肝試しに行くと、複数のうめき声が聞こえるという噂があり
割と有名な心霊スッポトでTV番組で何度か取り上げられた事もあります。
高校生の頃、車の免許を持っている友人がいたので(学校に内緒で合宿で
取得)深夜に男三人で肝試しに行く事になりました。
この山には一般に知られている舗装された道路で社へ行くルートとは他に
別ルートの道があり、道路は舗装されていませんが車で社の裏手に行ける
近道があります。車止めの前まで行き、長い石段を登れば社の裏手に回れ
るので目的地はすぐそこでした。
深夜2:00を過ぎており、当然ながら辺りは静まり返っており
月もなく真っ暗闇の中、懐中電灯一本を頼りに進みました。
友達同士の見栄もあり、不気味な雰囲気でしたが互いに強がりながら騒いで
石段を登り始めました。石段の真ん中辺りまできて、先頭を歩いていた友人
が急に止まりました。
「なにやってんだよ、早く進めよ」と友人が声を掛けましたが、先頭を歩いて
いた友人は「いや!前に進めない」と返答しました。私は「何言ってんだ
早く行けよ」と言いましたが、また「だから、進めないんだよ」と返えされました。
私と友人は狐につままれた様な感じで、先頭の友人を押しのけ、私と友人は
前にでて進もうとしました。「..................」 進めない!
だが、恐怖よりも不思議さに気をとられてしまい「進めないな」と一言ポツリと
漏らしました。見えない壁があるような感じで先に進めない。友人の一人が
助走をつけて体当たりしましたが、見えない壁に当り跳ね返えされました。
先頭を歩いていた友人と私は不意に恐怖に襲われ。「帰ろう」とつぶやき
ました。納得いかない顔の友人を無理矢理引っ張り、帰りました。
翌々日の昼過ぎになって、担任が慌てて教室に駆け込んできて、私の前に
くると、「○○はどこに居る」(○○は免許を持っている友人)と詰め寄って
きました。私は知らないと返答しました。当日友人は学校にきてませんでした
が、いつものサボリだと気にしていませんでした。すると教師は更に詰めより
こう言いました。「お前、3組のAとBと一緒に遊んでただろ?」とりあえず
余計なことを言って友人たちの立場が不利になったら困るので、だんまりを
決め込んでいました。すると、教師は「AとBが山の麓で泣きながら歩いて
いるところを発見された」と言った。意味が分からずに教師を見上げると
続けて「一緒にいたはずの○○はまだ見つかっていない。」と溜息混じりに
つぶやきました。怖くなった私は、一昨日の事を洗いざらい喋りました。
すぐに、警察と地元消防団と青年団の山狩りが始まりました。
しかし、友人は発見される事なく捜索は打ち切りとなりました。
私はAとBに会い当日、何があったのか聞き出しました。彼らの話によると
前日に私と3人で社の裏の石段で起こった出来事を話たところ、AとBが
信じなかった為、証明しようと社裏の石段に行ったそうです。
石段を登り昨日と同じ場所で同じように先に進めなくなりました。不安がる
AとBを尻目に、友人は「なっ!言った通りだろ」と笑いながら答えたそうです。
その後、友人は助走をつけて、何度も体当たりして遊んでたとの事。
友人にすれば、昨日と同じ体験をしているので恐怖心がなかったみたいです。
ところが、体当たりしたところ急に体が壁を通り抜けてしまった。
AとBは驚きのあまり、固まってしまいました。友人は笑いながら「突き抜け
ちゃった」と言ってAとBの元へ戻ろうとしましたが、見えない壁に阻まれて
戻ることができません。パニックになった友人は何度も何度も体当たりを
したそうですが、突き抜ける事ができずその場にへたり込んだそうです。
AとBは、大人を呼んでくると言って急いで道を下って行きました。
しかし、途中で迷子になってしまい山を下りることができなかったそうです。
ここまでは世間一般でよく耳にする、神隠しの話とほぼ似ています。
この話にはまだ続きがあります。
私は高校を卒業し、大学に入学するため上京しました。
友人のこともあり、長期休みになっても田舎に帰郷はしませんでした。
しかし、大学卒業間近になり、実家に一度帰らなければならなくなりました。
帰郷した際、私は田舎の知人に会いたくなかったので、誰にも連絡せず
過ごしました。何日か過ぎた夜。私は行方不明になった友人の夢を見ました
友人は高校当時のままで、「助けにきてくれ!」と必死に叫んでいました。
目が覚め、私は「助けに行かなきゃ!」と思い、肝試しに一緒に行った友人
を呼び、社に行きました。もっとも、夜はやはり怖いので行ったのは昼でした。
今回は一般の舗装路から社に向かいました。社につき辺りを歩いている時
私は「あぁっっ!」と小さな声を漏らしました。びっくりして友人が私の横に
近づいたとき友人は気づき、二人で泣いてしまいました。
ついに、行方不明の友人を見つけました。ガラスに顔を押し付けたような
姿で石に顔が浮かびあがってました。
その社には同じような大きさのたくさんの石が無造作に放置されていました。
当然、近寄りはしませんでした。
病状不明
2006.11月中旬
私の友人の医者から聞いた話です。
彼の病院に男性患者が救急車で運ばれてきました。
意識がはっきりしていたが、尋常でない痛がり方をしていました。
患者の話では、目の下から咽喉の上辺りまで全体が鋭く痛むとのことでした。
医師が診察したところ、皮膚表面に傷や腫れ、異常は見当たりませんでした。
血液検査・レントゲン・MRIなど様々な検査をしたが、特に異常は見つかりません。
患者は日毎に激しい痛みを訴え続けました。そこで医師は手術を決断しました。
手術の執刀は外科部長が担当することになり、彼はサポート役として立会いました。
手術は顎下から切開し皮膚をめくりあげ、患部を直接確認するという手順でした。
顎下を切開し皮膚をめくりあげたところで、執刀医の手が止まりました。
10秒ほど執刀医は固まったまま動かなかったので、様子を見にいきました。
彼が目にしたものは、皮膚の下に埋もれていたおびただしい数のヒゲ。
約5・6cmほどに伸びたヒゲが無数に絡まりあっており、厄介な事に皮下組織が
化膿し炎症を起こしていました。すぐに緊急手術となり、手術は5時間にも及んだ。
患者が意識を取り戻し医師が詳細を説明したところ、男性患者が思いだしたそうです。
2年程前にメンズエステで全てのヒゲを脱毛した事があったそうです。
脱毛し毛穴が閉じたところに、またヒゲが生えてきたが毛穴が塞がっており
体外に出られず、皮膚の下で成長し続けていたそうです。
あし
2006.11月下旬
ある所に交通事故で膝から下を失った幼い少女がいました。
少女は事故後に意識を取り戻しましたが、自分の足がない事に気づきました。
自分の足がない事にパニックに陥り、狂ったように暴れ、泣き叫びました。
まだ若いお母さんも、少女の混乱ぶりをみて、連鎖パニックを起こした様で
思わず言ってしまいました。
「また、足が生えてくるから大丈夫!落ち着いて!」そう言ってなだめました。
それから少女は何年も何年も足が生えてくるのを待ちました。
あるはずのない膝から下の痛みは消えませんでしたが、それは足が成長途中で
あると考えていました。当然、生えてくる訳はありません。
一向に生えてこない足におかしいと思い、医者に尋ねました。
事実を知った女の子は、ショックのあまりまともに喋ることができなくなりました。
彼女は義足をつけて夜な夜な徘徊しているそうです。
最後の言葉
2006.11中旬
老人ホームで工事をした時の話です。
そこは痴呆症の病棟でした。そこら中で徘徊したりわめいたりで騒がしく
看護士の方たちが忙しく動き回っていました。
私は私で忙しく作業をしおり、辺りの騒ぞうしさも気になりませんでした。
部品が壊れていることが判明し、部品を取り寄せなきゃなと思っていました。
一段落して、やれやれと思ってた時にふと、誰かに見られている様な気がして
振り向きました。「..............!!」そこには、私の顔前約20cmのところに
おばあさんが立っている。そのおばあさんは、「お迎えが来るよ!」と私に言い放ち
ニタッと笑いました。固まる私をよそにおばあさんは背を向けて病室に戻っていった。
まだらに抜けた歯の奥に何か暗い闇みたいなものが見えた気がしました。
数週間後、部品が届いたので老人ホームに行きました。
作業後、例のおばあさんの病室のネームプレートをみましたが、あのおばあさんの
名前はありませんでした。どうも、気になったので思い切って看護士に聞いた所
亡くなったとの事でした。看護士に「なんでそんな事聞くの」と問われました。
当然と言えば当然の結果でした。言葉が見つからず戸惑っていると、これから
休憩時間なのでお茶を出すから来いと言われました。断ることもできずに
いわれるがまま、ついていきました。お茶を飲んでると突然「あなたで3人目だよ」
と言われました。意味がわからないので次の言葉を待っていたところ「亡くなった
人を聞かれたの」その方はこの病棟担当になって6年だそうで、その間に私の
様に作業員や視察にきた人から、同じように聞かれたそうです。
理由を聞いても答えてくれないので、気になり私に聞きたかったとのことでした。
おばあさんの亡くなった日は、私がいったその夜だったそうです。
登山
2006.11中旬
私が小学校の夏休みに家族で登山に行った時の話しです。
場所は詳しく話せませんが、有名なところです。
夏休みということもあり、家族連れの登山客で賑わってました。
私の家族と叔父さん家族の合計9名で登山しました。
初登山の私は、登山がどういうものか知らなかったので大ハシャギして
いました。私と従弟は家族を尻目に前半飛ばして登っていました。
周りに大勢の登山客がいたので安心して、グングン登っていきました。
途中で従弟が疲れてペースダウンし始めましたが、私は構わず登って
行き、途中休憩スペースがあるので、そこで家族を待つ事にしました。
休憩スペースについて20分くらい経ったても家族がこないので、幼い
私は、待ちきれずその周辺を探索し始めました。休憩所の裏手はすぐ崖
みたいになってたと記憶します。崖下を覗いてたところ足を滑らせて滑落
してしまいました。高さは10メートル位だったと思います。
真っ逆さまに落ち、「あぁ、もうダメだ」と思ったとき、体が一瞬跳ね上がり
また跳ね上がり地面に落ちました。体重が軽かったため、途中の木々に
引っ掛かり、擦り傷こそありましたが特に怪我する事なく地面に着地しま
した。とりあえず、助かったのでホッとしましたが、しばらくすると辺りの
静けさに怖くなり、「おとーさーん!おかーさーん!」ありったけの声で
叫びました。しかし、答えが返ってくるはずもありません。
だんだん、恐怖が増し泣きはじめてしまいました。その時、「ガサガサ」と
音が聞こえてきました。あまりの恐怖に泣き止んだ私は動くこともできず
音のする方をジッと見ているしかありませんでした。更に音が近づいて
きました。前方の草むらが動き始めました。もうダメだと思って瞬間に
人がでてきました。完全装備の登山の格好した人がでてきました。
「ボク、こんなところでどうした」私は心細さと安心感とでワンワン泣き出し
ました。その後は、レスキューの人に連れられて登山道の入り口まで
送ってもらいました。
一方、父と母は私が行方不明ということで登山事務所などに連絡しており
大変な騒ぎだったそうです。登山道入り口でうろうろしていた私は保護
されました。父と母にはこっぴどく叱られましたが、私に会ったときの父と
母の涙はいまでも忘れません。
私を助けてくれたレスキューの方はどこに行ったのかわかりませでした。
それから、私は大学生になり彼女と泊まりがけで、その山の付近に旅行
に行きました。観光地で景色もよく楽しい旅行となりました。
そこで、私は行方不明になった時に助けていただいた方にお会いしました。
そこは郷土観光資料館でした。
私を助けてくれたのは有名な登山家で、その山で冬山登山をして亡くなって
いました。私が登山した時はすでになくなっており、完全装備の登山の格好
は冬山登山の装備だったからでした。
そこには、その方が身に着けていた品が展示してました。私には懐かしくも
あり悲しい真実でした。
思えば、この体験が私のはじまりだった様な気がします。
四畳半一間
2006.11下旬
売れない芸人時代を過ごしていた時、木造四畳半のボロアパートに住んでいた。
2階建ての1階で、風呂なし便所・台所共同で当時は1万5000円でした。
そのアパートにはいろいろな人が住んでおり、漫画家志望、売れない役者、作家
アル中、落ちぶれ者、元痴漢常習者と様々でした。そんな中でも、今では有名に
なった俳優や作家が何人も住んでいた事があり、知る人ぞ知るアパートでした。
アパート内の住人達は時々イガミあったりするが、住人達で飲み会をするなど
割と住み心地のよい所でした。
ある晩、いつもの様に酒を持ちより飲み会が始まりました。
そこには、飲みの席には滅多に顔を出さない漫画家志望の青年がいました。
珍客もあった事で、その晩は大いに盛り上がりました。
その夜の出来事でした。
私が、眠っていると何かが当りました。酔いもありあまり気になりませんでした。
すると、また何か当りました「つめたい!」寝返りを打ちながら雨漏りかと
思いました。
「んっ。ここは1階だよな」ボーっとしながらも起き上がり電気をつけました。
天井には染みがついており、ポタポタと水が滴り落ちていました。
「あれっ。臭うぞ」何の臭いか思い出してた時「うわっ!小便だ!あの漫画家慣れ
ない酒で、酔っ払って便所と間違ったのか!汚ねえ!」頭にきた私は階段を駆け
上がり、手荒にドアを開け怒鳴りました。「てめえ!何やってんだ」
彼は突っ立ったまでした。「まだしょんべんしてんのか!」
返事がない。
「おい!聞いてんのか!」 しかし、彼は立ち尽くしたままでした。
さすがに変に思い、明かりをつけました。「...................わぁああ!」
私の叫び声を聞きつけ住人が駆けつけてくれました。
立っていると思っていたのは、首を吊っていた為でした。
彼の足元からは黄色い水がポタポタと滴っていました。
その後すぐに引越しましたが、今もまだそのアパートはあるみたいです。
避暑地の一夜
2006.11月下旬
夏休みに男女6人で避暑地へ旅行に行きました。バンガローを借りてみんなで
バーベキューしたり楽しく過ごしました。お酒が入り盛り上がり、そしてお決まり
の怪談話をしようという事になりました。
私は当然拒否しましたが、意中の彼女が率先してやりたがっていたので
仕方なく同意しました。私を除くみんなは大盛り上がりで、やるからには蝋燭を
一本真ん中に置き、それを囲んでやろうという事にになりました。
それには、猛然と抗議をしましたが認められませんでした。
そして、はじまりました。
半時計周りに話はじめました。「こいつじゃない..こいつじゃない..」「お前だ〜」
「きゃぁ」「怖〜い」みんなはしゃいでいました。続いて私の番になりました。
気が進まなかったが話始めました。話しが終盤に差し掛かったところで不意に
空気が変わりました。私が話を中断してしまったので、みんなが不思議な目で
私を見ました。その直後、全員の目が大きく見開かれたままになりました。
みんなの恐怖に引きつる顔は何かを訴え、口が半開きになっている。
いきなり蝋燭の火が、手でもみ消されたように音もなく消えました。
真っ暗闇になり、「.........」声なき声が聞こえてきました。
私には、分かってました。「何かが背後にいる!」
皆、恐怖に氷つき固まっています。私も動けない。
私の背後にいるものは、しばらく私の後ろにいた後、隣の女の子の背後に移動
しました。「.....っっ.......っ」声にならない悲鳴が聞こえてきました。
女の子がガクガク震えているのが伝わってきます。動けない。どうする事もでき
ない。またしばらくして、女の子の隣にいる男性の背後にに移動しました。
女の子は少しホッとしたようでした。背後に移動された男性も恐怖に怯え震えて
いました。順番に背後に移動しています。
正面の女の子の背後に移動したとき、黒い人影が見えました。
形はあるが、顔が見えない。いや、正確にいうと顔も体も黒い影でした。
一周してまた私の背後に移動してきました。と思った瞬間
「.......... んっ .......!!」
心臓が飛び出しそうになりました。背後に気配を感じていましたがいきなり私の
横にも気配を感じました。「増えた!!しかもこっちを見てる!」
しばらくした後、私の横から女の子の横へ移動しました。そしてまた、どんどん
移動し始めました。一周したあと今度は私の反対側に、新しい影ができました。
両側に黒い影があり、両方ともコチラをジッと見ています。
更に気配は増え、正面の子も黒い影に挟まれていました。「全員挟まれてる!」
「ガチガチ歯が鳴る音がする。」私以外の皆が、音を立てています。
相変わらず声は聞こえず、わずかに嗚咽が漏れています。
私も怖いですが、まあ大丈夫。他のみんなが恐怖で錯乱しないかそれだけが
心配でした。
.............沈黙............嗚咽...............気配が増える......
真夏だというのに、室内はどんどん寒くなり、空気が重くのしかかる。
何時間経ったのだろうか。
今は、室内の半分以上が黒い影で埋め尽くされている。
また影が増える、嗚咽、増える、嗚咽、増える嗚咽増える嗚咽増える嗚咽増える。
もう、室内は黒い影と、その気配で一杯だ。
「ヤバイ!もう満杯だ!これ以上増えたら俺もヤバイ!この空間が破裂する!」
また、増えそうな感じがした。「もうダメだ!!!」
そう思った瞬間、けたたましい鳴き声が響きました。
「にわとり!」一瞬で今まで埋め尽くしていた気配がパッと消えた。
「助かったー!」体が動く。
慌ててみんなを見る。みんなが一斉に崩れ落ちる。
「おい!みんな大丈夫か!」みんなが俺の方へ向く。とりあえずみんな無事だ!
その瞬間、生あったかい空気が!
一瞬身構えた私は、力が抜けた。生あったかい空気と共にアンモニア臭がした。
私以外のみんな恐怖からか、開放された安堵からなのか、失禁していた。
近寄った私に、一斉にしがみつき、みんな号泣していた。
その後グループは自然に解散し、友人達とはどちらからともなく、連絡を取らなく
なった。
帰り際にみんなから、「この事は誰にも話さないで」と、口止めされた。
書いちゃったケド....
芥川
2006.11月下旬
「ねえ。何人兄弟だっけ?」「二人。」彼女が聞いてきた。「弟だよ!」
「東京にいるの?」「いや、実家。」
忙しい中でやっと実現した2回目のデート。会話も弾んで良い感触。
信号が変わり横断歩道を渡りはじめた。
横断歩道の途中で私に寄りかかってきた彼女を見て、心臓が高鳴った。
彼女に悟られてはまずいと思い、喜びを表情に出さない様に歩いていました。
横断歩道を渡ったあと、彼女が立ち止まった。不思議に思い顔を覗き込むと
凄く体調が悪そうで顔が青ざめている。慌てた俺は、とりあえず喫茶店に入り
休む事にした。
寄りかかってきたのは、体調のせいだったと分かりチョットがっかりしました。
喫茶店に入り彼女はホットココアを注文しました。
一口飲んで、少し落ち着いたようだったので、「具合悪そうだけど大丈夫?帰る?」
聞いたところ。「あのね。 驚かないで聞いてね。」と前置きして、話し始めた。
「さっき交差点で信号待ちしていたときに、横断歩道の向かい側にあなたにそっくり
な人がいたの。同じ様な服装で服かぶってるな〜と思ったの。
それで、信号変わって渡りながらみてたら、よく似てるな〜と思ってたんだけど
近づけば、近づくほど、あなたそっくりなの。しかも服まで。青白い顔してたけど
他人の空似なんかじゃなくて、あなた本人だと思ったの。それで驚いて....」
話終えて、幾分スッキリした顔付きになった彼女に教えてあげました。
「それは多分ドッペルゲンガーっていう、もう一人の自分だと思う。芥川 龍之介も
会ったことあるって本に書いてあった。もう一人の自分に会うと、近いうちに死ぬって
言われてるヤツ。」彼女は、心配顔で俺を見ている。
「でも、俺は見えなかったからな。」
「あんなにそっくりだったのに、近くなのに気づかなかったの?」
「あぁ、幸か不幸か....危なかったな。今日くる途中でコンタクト落としちゃって」
「視力0.1だから2m先の顔も見えないよ。」
「ツイてるな!」
「ガシャーン!」彼女がカップを落とした。「大丈夫か?」
彼女が青ざめた顔で振るえていた。
「ごめん。怖がらせるつもりはなかった」あせって弁解する。
「いや、俺、不思議な体験が、多いから..ごめん..怖がらせるつもりじゃ...」
「そうじゃないの!」彼女が突然大声で叫びだした。
「交差点でね、その人とね、すれ違ったときにね、その人言ったの!」
「ツイてるな」って.....。
ブロック塀
2007.2月中旬
出張で関西に行った際、高いブロック塀に囲まれた一角をみつけた。
少なく見積もっても3mはある。塀にしては高すぎる。
ぐるり一周回ってみたが、入り口がない。ブロック塀だけ。
塀の上には突出している建築物らしきものは見えない。
その周囲を探ってみたが、中を覗くことができそうな高い建物もない。
住宅地に堂々とその姿をさらすブロック塀。
私の探究心が興味を示さないわけがなかった。
しかし、いかんせん出張中の身。時間に余裕があるわけでなし。
その時は、後ろ髪引かれる思いでその地を後にした。
私の仕事が落ち着きを見せた頃、友人に一本の電話を掛けた。
彼とは小学校高学年からの昔馴染み。今は別々の土地に住んでるが
未だ頻繁に連絡を取り合っている仲だ。
神主の息子K。(神主の息子だからK。イニシアルではない。)
出会った時から、仲がよく何かにつけよくつるんだ。
彼は、小学校の時に作った、幽霊探偵団の副団長。
探偵団の任務で一緒に様々な探検・調査・肝試しに繰り出した。
私の用件は関西の地で発見した、例のブロック塀の話だ。
どうにも気に掛かかるので、Kに話して聞かせた。
案の定、興味津々だ。
「幽霊探偵団の出番だな。」Kがうれしい事を言ってくれた。
「明日にでも行けるか?」相変わらず呑気なものだ。
こっちは、あくせく働く企業戦士だというのに..
Kは地元に住んではいるが、実家をでて悠々自適な一人暮らしを
満喫している。たまにバイトをして生計を立てているが、さすがに
羽振りはいいらしい。
「来月の連休なら行ける。」そう返答し、話は決まった。
半年ぶりに会ったKは半年前と何も変わっていなかった。
まあ、当たり前だ。いつもの常で、現地へ直行。
互いの近況を話しながら徒歩で向かっていった。
例のブロック塀が近づくに連れ不思議と会話が減っていく。
おかしい。
Kとは色々なスポットに行ったが、口数が減る事は滅多にない。
まして、例のブロック塀まではまだ10分以上もある。
でも、以前この付近を通った時よりも妙な感覚だ。気のせいではない。
大勢の人からジロジロ見られている様な、粘っこい視線を感じる。
ブロック塀が見えてきた辺りから、後から何かがついてくる。
軍隊の行進みたいに、ぞろぞろとついて来る。
「何か感じるか?」Kが口火を切った。「前は、感じなかったが
何か付いてきてないか?」
「ああ、やっぱり分かるか。俺がいるからね。」
さすが、神主の息子。動じてない。
ブロック塀に到着したが。塀の中で何か音がする。
塀を一周した後、Kは塀から離れ近くの小さな日用雑貨店に入った。
「○○の○○神社で神主をやっておりますKと申しますが、あちらの
持ち主の方はどちらにいらっしゃいますか。」お店の人をみるなり
開口一番に言い放った。一体いつから神主になったのやら。
まごついている、店の人に向かって「お近くにいらっしゃいますか。」
少し語調を強めて尋ねた。動作や言葉遣いは慇懃すぎるくらいだが
あくまで強気の姿勢を崩さない。この押しの強さはある意味立派だ。
店の人は困惑顔を浮かべながら、少々お待ち下さいと言い残して
店と住居を隔てたたたきの奥へ消えていった。
しばらくして、一枚の紙切れを手に持ち戻ってきた。
紙切れには、簡単な略図と塀の持ち主らしい名前が記されていた。
Kは丁重な態度で礼を述べた。店を出たあと、略図を見ながら
「地主さんだよ。」とつぶやいた。いつになく真剣な表情だ。
いまなら、私でも神主と間違えそうな程、威厳が滲みでている。
正に地主の屋敷といった風情の古い邸宅から、七十絡みの老人が
出迎えてくれていた。
大きな床の間のある畳敷きの広間へ通された。
「あの土地の事でお話があるとか。」老人は着席してすぐ切り出した。
居間に通しておいて茶もださないとは。当然ながらコチラの素性を疑って
いるのだろう。だが、居間に通したという事は、心当りがあるのだろう。
Kは簡単に自己紹介し「あの土地はいつからなんですか。」短刀直入に
尋ねた。いつものおちゃらけた彼とは違う。ニセ神主K。
「昭和○○年からです。」
「最近この辺りは騒がしいですね。変わった事がありますか。」
「はい」
「私の一族は代々神主の家系なんです。」
老人は居住まいを正してKの質問に答えている。
「中でも私はこの類は特異の分野なんです。」
「はぁ」
「川が近いですよね。この辺りに..村ありましたよね。」
老人の顔が険しくなった。「この辺りはお詳しいのですか。」
「いえ。初めて来ました。」
「では、なぜ」
「特異分野ですから。」
老人は深々と頭を下げ、お茶をお持ちしますと言い残し居間を出た。
お茶を持ってきて「御見せしたいものがあります。お時間があれば
蔵から持って参りますが。」
「お願いします。」慇懃な態度で深々と頭を下げた。
待つこと30分。ようやく現れた老人は、古いノートを持って入ってきた。
全体的に黄ばんでいるそのノートは帳面と呼んだ方がしっくりくる。
片側に紐が上から下に通っておりノートの体裁を保っていた。
「いつ作成されたかは分かりませんが、内容から明治の始めか中頃に
作成されたもののようです。」
その帳面は老人の4・5世代前の先祖が書き記したものらしい。
老人が偶然、蔵で見つけたものだが署名・日付はない。
「慶応最後の年と記されています。一家族で四人だそうです。」
「それ以前にも。同じ場所で行なっていたそうです。」
「祭壇。どおりで。塀の中が何か騒がしいようですが
最近何か変わった事はありますか。」
「はい。土地の買収話があります。」恐縮しながら答えた老人は
「お払いとかできないでしょうか...」遠慮がちに尋ねきた。
「残念ながら無理です。」きっぱり言い放ち説明を加えた。
「人身御供は白羽の矢がたった者が生贄になるものですが、
一家族は異常です。これは納得して人柱になったものではありません。」
「では、どうすれば。」困惑気味の老人に対し、Kは穏やかな口調で
「まだ時間が必要です。もし、壊すことになれば大変な事になります。」
「あの場所は守ってください。貴方の一族にはその義務があるはずです」
「やはりそうでしたか。そんな事ではないかと思ってました。」
「わかりました。守っていきます。」
「早めに遺言書に書いて置いてください。」
老人は少し驚いてKを見つめた。Kは、老人の目をしっかり見据え
「それくらい危険なんです。あの土地は」
老人は黙ってうなずいて、深々と頭をさげた。
複雑な事情が見え隠れするが、話の進みがやたらと速い。
老人もかなり事情を把握しているのが伺える。
「もし気がかりな事が少しでもありましたら、ご連絡ください。」
帰りは、塀の前を通らない様に駅に向かった。
Kによると、地元の人間じゃない者が通ると影響を受けやすいとの事。
「だからお前が最初に通ったときに、感じて引き寄せられたんだよ」
「もうあそこには、近寄らない方がいいぞ」
「Kが言うのなら相当ヤバイな。しかし祭壇とは珍しいな。」
「そうでもないぞ。東京オリンピック位まで各地でやってた。まあ
その後もひっそりやってたけどな。村社会ってのは色々あるんだ」
他にも何か知ってそうな口ぶりだ。
「もし...中覗いたらどうなる...」「恐らく死ぬぞ。」
科学万能のこの世の中に祟りとか、呪いとか、怨念とか...でも....
あるんだよな。俺の身にも起こったし。
日常にポッカリ空いた空白のスペース。忌まわしい土地。
謎を残したままだが、私が知っているのはここまでです。
幻聴のうた
2007.3月初旬
私の会社にある壁掛け時計。一時間毎に違う曲が流れる。12時には
”アモ−レの鐘”が流れる。デスクに向かい事務仕事をこなしている。
アモーレの鐘が鳴った。時計を見ると11時45分。
「またか」あと15分は仕事時間だ。また、アモーレの鐘がなる。今度こそ
昼休憩だ。いつからだろうか。記憶を辿るが正確には思いだせない。
始めは気のせいだと思ってたが、頻繁に聞こえる事に気づいてからは
もはや無視できない存在となってしまった。
意識しだした頃はごく小さなボリュームで聞こえていたので空耳程度に
しか考えていなかったのだが、どうやら時間を経るに従い明確に聞こえて
くるみたいだ。その証拠に、今は意識を集中して音に耳を傾けないと
本当に鳴っているかかどうかが分からないほどだ。
日常生活に支障がないので放って置いているが、これが幻聴というものか。
別に神の声・天の声が聞こえる。テレパシーなどというつもりは更々ない。
その辺の区別はついている。と思う。
これは、思い込みだ。アモーレの鐘の音が耳に、記憶にこびり付いている
だけで、早く昼休憩になることを願っているから、脳が勝手に12時近くで
アモーレを脳内再生しているだけだ。原因はわかっている。
音は確かに聞こえている。それは間違いない。確信している。だが普通の
聞こえ方と決定的に違うのは、耳で聞いていないという事だ。鼓膜が震えて
いないのが五感で分かる。音は脳に直接響いている。それは判別できる。
俺は狂ってなどはいない。正常だ。
だから、10日前に起こった事の説明もできる。
いつもの習慣で深夜1時頃に俺はベッドに入った。寝つきは良い方なので
大体10分程で眠りに落ちる。ベッドに入るとすぐに睡魔が襲ってくる。
両足がベッドに吸い込まれるような感覚になり、次いで両腕が吸い込まれ
始める。何とも言えない心地よい感覚だ。俺は眠りに落ちるまで、この感覚を
味わいながら眠る。
ところが、その日は完全に眠りに落ちる寸前の意識が曖昧な甘美な一時に
「オイ!」という声が響いた。驚きの余りベッドの上で文字通り飛び跳ねた。
一人暮らしで当然、俺以外は誰も居ない。怪奇現象でも幽霊でもない。
脳内再生の声。これこそ正しく幻聴だ。その日は明け方まで寝付けなかった。
翌日は何事もなく仕事をこなした。友人と談笑したりキャバクラへ行ったりと
いつも通りの生活だった。17時頃にアモーレの鐘は聞こえたが。
それから今日まで、「オイ!」や「ニュースです」など時折声は聞こえている。
音から声に変わり、意味分からない声が響くようになった。
病院に行こうかと考えたが行かなかった。カウンセリングや薬で治るかどうか
分からないが、精神を病んでいると言われ薬を処方されるだけだろう。
とても、治るとは思わない。いや。むしろ今の感覚が正常なのだ。
まだ、大丈夫だ。周りの声や音と脳内の声や音の区別がついている。
落ち着いて考えれば判別が可能だ。これが、判別できなくなれば病院行きだ。
今、「まだか!」と声が響いた。突然の声に心臓が飛び出るかと思った。
だが、これは心霊現象などではない。ただの幻聴だ。
怖いサイト
2007.2月下旬
最近、怪談話や心霊話を扱ったサイトをよく訪問している。
中には、過激な内容のサイトもある。人を呪う方法・呪い代行業
悪魔を呼び出す儀式。アンダーグラウンドなサイトが乱立している。
そこで、一つ気になるサイトがあった。
そのサイトは、恋愛にまつわるもので、恋愛度チェックや恋愛相談や
掲示板、恋愛成就のおまじないなどと内容が豊富で、とても親身に
相談に答えてたりしていた。普通の恋愛相談サイトだった。
なぜ、怪談や恐怖話を巡っていて恋愛サイトにたどり着いたのか
まあ、あちこち飛び回ったからどこかで飛んだんだろう程度にしか
考えてなかった。
それから1・2週間経った頃、同じ様に恐怖サイトを巡っていた。
初めて訪問したサイトでジャンルも違うのだが、恋愛成就祈願
のやり方が載っていた。
以前みた恋愛サイトの恋愛成就祈願の方法がのっている。
割と知られたおまじないなのかなと思い、以前に訪問した
恋愛サイトを訪問してみたら閉鎖されていた。
そこで初めて、何に気になっていたかが分かった。
恋愛成就祈願。
詳しくは記載しないが、水・鏡・自分の毛髪・○○と諸条件で
おまじないをすると恋愛が叶うとあったが。
「本当にそんな、まじない方法があるのか」
古くからの友人で霊能関係の仕事をしている友人に確認したところ
「それは呪術で人を呪う時にやる方法だよ。」そんな事だと思った。
正確には近くにいる、不浄霊(性質の悪い)を呼ぶもので
直接被害はないが、よく見えるようになり、霊感が強くない人は
この状態が長く続くと精神的にかなり有害で危険との事。
サイトの管理人は、なぜ恋愛相談サイトを立ち上げて、そんな事を
したのか。知らないで載せたのか、わざと載せたのか。
ネットの世界は便利だが、宝もあれば爆弾も存在する。
改めて気付かされた。
これを読んだ方。本当に気をつけてください。結構多いみたいです。
鏡の世界
2007.3月初旬
都会の住宅事情は深刻だ。猫の額ほどの庭などと言われていたが
今や土地は細分化され、庭付きの家などなくなりつつある。
バブルが崩壊し安くなったとはいえ、一般のサラリーマンでは中々
持ち家なんてもてない。
そんな中で狭小住宅というものが人気がでている。
建築技術の向上により少ない建坪でも家を建てる事ができる。
そんな時流に乗っかって友人が家を建てた。
13坪に3階建て。夢叶ったが、地獄の35年ローン。
引越し代を浮かせる為に引越しの手伝いをさせられる事になった。
もちろん嫌ではない。むしろ新築祝いも兼ねて喜んで引き受けた。
私と友人3人で引越しを手伝ったのだが、なにせ間口が狭く3階建て。
朝から夕方まで引越しは続いた。その後は新築祝いを兼ねての宴会
に突入。余程嬉しかったのか友人は、饒舌に狭小住宅の素晴らしさを
語り、家の隅々まで歩きながら説明し始めた。
収納スペースを上手く隠し、デッドスペースを巧みに活かして
設計されたその家は、初めて見る者に驚きを与える。
狭小住宅専門の設計士に頼んだので、収納・間取りの取り方は上手く
部屋を広く見せる工夫も完璧である。
だが、それが落とし穴だった。
2階のリビングで酒を飲んでいたが、4人のむさい男達が寝るには
狭すぎるので3Fの寝室で、ざこ寝する事になった。
みんな30過ぎいいおじさんだ。引越しの疲れとアルコールで横になって
間もなく寝息が聞こえてくる。私も寝息を聞きながら眠りに落ちていった。
どの位眠ったのだろうか。尿意で目が覚めてしまった。しばし呆然と周り
を見回した。ここはどこだろう。働かない頭で記憶を辿る。「ああ、そうか」
友人の家に泊まっている事を思い出した。「トイレは2階だったな」
トイレを済ませ、廊下を通り階段へ向かう。よろよろしながら、廊下を歩く。
階段はまだ先にある。足元が暗いのでゆっくりと歩いた。
かなり酔っているようだ。自分ではちゃんと歩いたつもりだが、階段はまだ
先だ。「俺もヤキが回ったかな」そう一人ごちて歩いた。
おかしい。進んでも進んでも一向に階段に辿り着けない。
狭小住宅はこんなに広くない。いや、いくら広い家でも変だ。
やっと自分の置かれてる状況がおかしい事に気づいた。
「一体どうなってるだ」歩きながら考えたが答えはでない。
立ち止まって辺りを窺ってみた。言葉がでない。
正面にも右にも左にも階段がある。一歩も動く事ができなくなった。
「なんなんだここは!」冷や汗が背中を伝うのがよくわかる。
とりあえず歩くのをやめて座り込んだ。なぜ、こうなったか落ち着いて考え
てみた。「トイレをでて廊下を歩いたろ。突き当たりの階段に行く途中で
気づいたらこうなってた」道を間違うなんて有り得ない。ましてや室内。
どれ位時間が経ったのだろうか、ひとしきり悩んだあと.......思い出した。
「階段は突き当たりにはない」廊下の突き当り手前に階段があったはずだ。
とすると、ここは鏡の中。どおりで右にも左にも階段があるわけだ。
一人納得したが、どうしたものか。「まあ、動かない方が無難だな」自分に
言い聞かせるように声に出した。大体2時間位経った頃に変化が訪れた。
うしろから何か違和感が。振り返ってみたが何もない。気のせいかと思い
座り直したところ、何かが凄い勢いでうしろから迫ってくる。訳が分からないが
とにかく走って逃げ出した。全力疾走で走ってはいるものの、どんどん
距離が縮まっているのがわかる。走りながらチラッと後を向いたが何もない。
でも確実に何かが迫ってきている。
息が上がってきた。苦しい。止まることができない。捕まると本当に危険だ。
生命の危機を感じてか体全体が警鐘を鳴らしてる。足がもつれてきた。
夢中で走る。すぐ後まできている。追いつかれそうだ。心臓が破裂しそう。
何か触手みたいな細いものが俺の体に触れた。全身に悪寒が走った。
力を振り絞りがむしゃらに走った。ふと目線を上げると階段がある!
辿りつけなかった階段がある。階段の上は何も見えない。暗闇に階段が
めり込んでいる様だが、考えている余裕などなかった。
急いで駆け上がった。
階段の先は3階だった。新築の友人の家の3階だった。
「助かったのか」まだ半信半疑のまま誰に確認するともなくつぶやいた。
廊下には朝日が差し込んでいた。いつもと変わらない朝の風景。
「疲れた」壁に凭れ掛かり、階段に目を移した。
翌日、友人に鏡の位置について電話をした。風水的に凶相で家庭不和や
怪我の絶えない最悪な配置だと、デタラメを吹き込んだら慌てふためき
鏡はすぐに取りはずされた。
始発電車の男
2007.3月下旬
彼はここ5年間いつも見ている。別に会いたい訳ではないし、時間をわざと
合わせている訳でもない。話をしたこともない。だが毎年なぜか会ってしまう。
彼は、年の頃は40代半ばといったところだろうか。紺色の地味なスーツを
身に着けており典型的な会社員といった風情だ。
初めて彼を見たのは6年前。
その日私は鹿児島出張を命じられ、朝一番の飛行機に乗るために駅へと
向かった。辺りには私以外に誰もいない。徒歩15分の距離をまだ暗い中
一人歩いている。駅に着いたが、改札の駅員以外は誰もいない。
あと6分で始発電車がホームに滑り込んでくる。階段を見上げ、スーツケース
を持上げながら重い足取りでホームへの階段を上る。
1時間もすれば通勤でごった返す駅だが、まるで人気のない今は、さながら
私専用の私設駅のようだ。
やっとのことで階段を上りきりホームに立つと、残念。始発待ちの先客がいた。
少々残念な気がしたが、私の他にも朝早くから仕事のある人がいる事を知り
幾分親しみが湧いた。乗り換えに便利なようホームの端まで荷物を引き摺り
ながら歩いた。静まり返ったホームに陰鬱なアナウンスが流れる。
あと1分で電車が到着する。計算し尽くされた完璧なプランだ。
目的の場所まで10mというところで、ホームの端にいた男がゆっくりと線路に
向かい歩いていく。何をやっているのかと思っていいた瞬間。
ホームから線路へと落ちた!
荷物を放り投げ、男が立っていた場所へと走っていった。
ホームから線路を覗き込んだ、けたたましい警笛と共に電車が突っ込んでくる。
恐怖に思わず後ずさりしてしまった。何も考えられずにただ電車を眺めていた。
電車が停車し、ドアが開らく音で我にかえった。
「ひ、ひとが!」運転席に詰め寄り、訴えた。
「線路に人が落ちました!」やっと声を捻りだした。
「落ち着いてください。大丈夫です。確認しましたので。誰も落ちていません」
合点がいかない私は必死に説明したが、取り合ってもらえない。
「もう発車しますよ」運転手の一言に、慌てて荷物をまとめ乗り込んだ。
確かにこの目で落ちるところを見たのに。この運転主はおかしい。
運転席に猛然と向かい抗議しようと近づいたのだが、内側からスクリーンを
下ろされてしまい、勢いを削がれてしまった。
結局、自分の見間違いだろうと結論づけた。翌日新聞をみたがそのような事故
の記事も載っていなかったので、見間違いだろうと納得してしまった。
翌年、沖縄出張でまた始発電車に乗る事になり、去年と同じスーツケースを
引きずり、駅のホームを目指していた。
階段を上がりきったときには、その場に立ち尽くしてしまった。
去年と全く同じ場所に同じ服装で彼は立っていた。
その場から動くこともできずにいると、電車がホームへ入ってくる。
彼はホームからよろよろと線路へと向かい、落ちていった。
そうか。そういう事だったのか。ようやく事態が飲み込めた。
初めて目撃してから5年。私は彼を見続けている。
もちろん、見たくて見ているわけではない。なぜか、その日に限り出張や用事が
入り彼を見てしまう。
6年目の今年は、線香を持参し少し早めに家を出発した。
彼が立っていた辺りに行き、その場で線香を焚いてあげた。
両手を合わせ、彼が成仏できるように祈った。
いきなり静寂を破るけたたましい、ホイッスルの音が鳴り響いた。目を向けると
「やめろ〜!!!」絶叫しながら鬼の形相で、駅員が猛然と走って来る。
私の前にくるなり、地面に置いてある線香を線路に向かい蹴飛ばした。
あまりにも、駅員の異常な態度に私は頭にきてしまい、声を荒げた。
駅員との激しい口論が始まる。
「何をする!」非情な駅員を睨みつけ言い放った。
「あんたこそ何をやっている!」50代位の駅員が言い返した。
「見ての通り線香をあげている」
「何て事をしるんだ。線香なんて!」
「確かにホームで火を使ったのは悪いが供養だ!」
「昔ここで、飛び込んだんだろう!知ってるんだぞ!」
「あんた見えてたのか」少しトーンダウンして駅員が聞いてきた。
「ああ。もう5年間毎年見ている!だから今年は線香を持ってきた」
「文句あるか!」駅員を一喝してやった。
「5年間..」駅員の顔色が変わる。「もう関わるな」絞りだすような声でいった。
高圧的な態度に、無性に腹が立った。
「毎年見ているから、今年は成仏させてあげようと思っただけだ!」
こっちだって別に関わりたくて関わっているのではない。
「あんたは分かってない!」駅員に怒鳴られ、言い返そうと口を開きかけた。
「あの男は、あんたの後に立ってあんたを線路に突き落とそうとしてだんだぞ」
言葉がでない。そんな莫迦な。
「そっ..そんな!」ようやく言葉がでたが、呻き声になっていた。
「事故が起きたのはもう10年以上前です」ゆっくりと駅員が喋りだす。
「その3年後に一人の青年が線路に落ちました。」無念そうに駅員はいった。
「その場所には線香が置いてありました。当直の駅員は男が青年を突き落とした
のを見ているんです」目撃した駅員は翌週には会社を辞めてしまったそうだ。
「青年の事故までは駅員が線香をあげていたのですが、それからは線香を
あげることは、駅長に禁止されました。この駅舎ではタブーとなっています」
駅員から話を聞いたあと、始発電車に乗らずタクシーで空港に向かった。
脳内幽霊
2007.4中旬
知り合いの霊能者から珍しい話を聞いた。
最近霊現象が頻繁に起きているのでお払いをして欲しいと訪れてきた人がいる。
その人は、30代の男性で夜中に霊に襲われるという。
初めは金縛りだけだったが、最近では霊が彼の寝ている辺りをうろつき
その霊は、髪が長い白いワンピースを着た女性で、彼にのし掛かったり
顔を覗いてくる。霊の吐く息使いまでが伝わるという。
気を失い、気がついたら翌朝だったという事が、いままで3回あったと語った。
普通なら「夢だよ。きっと疲れているんだろう」と言われそうだが
相談を受けたのは霊能者。与太話や笑い話では済ませられない。
なにせ本人は苦しんでいる。霊が相手ならば、彼を助けるのが霊能者たる
友人の仕事だ。
霊能者も真剣になって話を聞く。細大漏らさずに話を聞きだす。
しかし、本人からは霊的な反応は全く感じられない。
自宅で体験したというので自宅を訪れたのだが、まったくそんな反応もない。
霊能者は正直に話し、見料も貰わずに帰したという。
(友人は数少ない割とまともな霊能者)
ところが、また「でた」と訪れてきた。自宅を訪ねたが、何も感じられない。
現在進行形で霊現象が続いていおり、その度に霊能者の元を訪れてくる。
原因を突き止めるため、一晩彼の家で過ごしたが、何も感じない。
友人は全く不可解だという。
「それ脳内幽霊」 私は友人の霊能者に言った。
すぐに疑問符が飛んでくる。
脳内幽霊。文字通り、脳内で生成された幽霊。過去の記憶の残滓。
「話の内容を聞く限り、彼は夢を見ているにすぎない」
一般に知られている金縛りは、よく寝ている時に起こる。
だがこれは、レム睡眠の浅い眠りの時に体が休んでいるのに脳が目覚めて
しまい、体が動かない現象と科学的証明がなされている。
それに、目覚めても覚えている夢は、レム睡眠中に見ている夢がほとんどだ。
絶対に夢ではないと反論もあるだろう。
しかし、その幽霊はどんな幽霊だっただろうか。
女性ならば、長い髪の女、白髪の老婆、白装束、真っ赤なワンピース。
男性ならば、スーツ姿のサラリーマン風、日本兵、生気のない青白い顔。
形がはっきりしないものは、大体が黒い影・黒い塊といったところ。
これらの特徴を持つ幽霊には共通点がある。
テレビや怪談話でよくでてくる姿・形だ。
つまりは、怪談話やテレビで見た昔の記憶が、その夢のシュチュエーションに
合わせて、幽霊として生成されている。
これには、 夢かどうかの見分け方が存在する。その幽霊を見たときの状況。
よく思い出すと、自分の眼から直接みた視点だけでなく
自分の目線から自分が見えていたり、自分が少し視界に入っている場合がある。
現実ならば、自分の視界に自分が入る事は在りえない。
また、音を聞いた、気配を感じた・臭いがした・痛みがあると反論されるだろうが
夢の中でも痛みや臭い、感触までも感じる事ができる。
痛みや臭いもすべて脳で判断し、記憶される。
たとえば、固い物に指をぶつければ痛い。神経があるから当然だ。
だが、その痛みはどこからの部位の痛みなのか、それを判断するのは脳だ。
もし、自分が夢を現実と錯覚しており、夢の中で指をぶつけたらどうなるか。
指をぶつけた=痛い。となり、指が痛いと脳が判断してしまう。
実際に痛みも伴うが、物理的な腫れなどはできない。
臭いや感触も同様だが、現実と違うのが、認知してから臭いがする。
臭いの元を見てから、脳が何かの臭いがしていると思い込ませる。
臭いがしてから認知という、現実のプロセスは踏まない。
幽霊を見たからといって、必ずしもそれが霊現象だとは限らないのである。
もし、幽霊を見てしまった場合、必ず夢か現実かの判断をする事。
大概の人はそれから幽霊を見る事は滅多になくなる。もし頻繁に見る様ならば
その力が発現してしまったか、妄想に飲み込まれたかのどちらかである。
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